褥瘡(「じょくそう」と読みます)は、血行が悪くなると、発症しやすいことを前にお話ししましたが、原因はそれだけではありません。
それ以外の原因として、栄養不足皮膚への負担(摩擦や衛生的なこと)なども考えられます。

血行については、定期的に寝返りをさせる事で、ある程度解決します。
我が家の場合、日中は2〜3時間間隔*1で、就寝中は寝返りなし、約5時間ほど一定の姿勢で、体位変換を行なっています。なぜ就寝中は、寝返りをさせないかですが、理由は、2つあります。

1つ目は、寝返りをさせることによって、睡眠を妨害してしまうこと。
きちんとした睡眠がとれない場合、介護される人が体調不良になることもありますので。
2つ目は、介護をする人の体力がもたないこと。
夜中、2、3時間おきの作業は、こちらも睡眠不足になり、体調を崩しかねません。
どちらにもメリットはないので、我が家では、就寝中の体位変換は無しにしています。

栄養については、バランスよく食事を摂ることですが、なかなか難しいですよね。
極端に偏った食事でなければ、大丈夫だと思いますが、もし、心配であれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。

そして、皮膚への負担ですが、体を清潔に保ち、体が重なるところ(体の向きによって異なる*2)に、クッションやタオルなどを挟むことや体圧分散機能のあるベッドを使用することで、負担は軽減されると思います。
また、衣服やシーツのシワなども体位変換時に皮膚への負担となり、発症の原因となりますので、気を付けたいところです。

寝たきりの場合、お尻周り(仙骨、腸骨、尾骨、座骨)は、おむつ*3で覆われていることもあり、一度できてしまうと厄介なので、注意が必要です。

*1: 体位変換の時間については、我が家のケースであり、これが正解ということではありませんので、ご承知おきください。

*2: 褥瘡ができやすいのは、次の箇所です。
仰向け(仰臥位):後頭部、肩甲部、仙骨部(お尻の切れ目の上あたり)、かかと
横向き(側臥位):耳、肩、肘、腸骨(骨盤のあたり)、膝、くるぶし
座っている状態(座位):背部、尾骨、座骨

*3:お尻が蒸れた状態は、褥瘡の原因になりますので、通気性のよい紙おむつを選び、長時間の使用は避けてください。

大切な家族が、毎日、穏やかに過ごせるように、褥瘡対策はしっかりやりましょう!

2020/11/29 (日) 更新