怪我や半身麻痺などで寝たきりの場合、自分で寝返りをうてないので、介護者が寝返りをサポートします。その作業のことを体位変換と言い、寝たきりの場合、大きく分けて仰向け・横向き・座位*1の3パターンがあります。
我が家では、食事時は座位、それ以外は、左右のどちらかに向いています。ギャッチアップのコラム(Column 3)で、座位時に、腿の裏にクッションを入れる話しをしましたが、左右に向く時も、背中側や足元、股の間等にクッションを入れて、横向きの姿勢を安定させています。
クッション等を入れて、体位を決め、安定、保持することをポジショニングと言います。
簡単に言うと、位置ぎめのことです。
このポジショニングが悪いと、拘縮、褥瘡(じょくそう/床ずれのこと)の発症原因にもなりますので、注意したいところです。
ポジショニングのポイント
● 体軸(頭から脚にかけて体の中央を縦にまっすぐ通る線)を整える
体のバランスがくずれている(体軸が歪む)と筋肉に負荷がかかり筋緊張が起きたりしますので、ポジショニング時には、肩や腰の位置を確認し、体軸を整え、安定性を保つことが必要です。
● 体のすき間を埋める
クッションやタオルなどを入れてポジショニングを行いますが、腕や脚などを点で支えるとその箇所に集中して体圧がかかり、褥瘡が発症しやすくなりますので、体圧分散をするためには、接触面を広くして、できるだけ隙間を埋めるようにすることが大事です。
一般の人は、就寝中に頻繁に寝返りを打つので、寝入り時の横向きは、ほぼ90度に近い角度になっていると思いますが、我が家の場合は、寝たきりで、一定時間同じ体位のため、一箇所に集中して圧がかからないように、横向きの場合は、仰向けに近い体位で、だいたい15〜20°位にしています。
角度につきましては、これが正解と言うものは無いと思いますが、介護を受ける方にとって、無理なく、楽に感じられる姿勢を探して、ベストポジションを決めて下さい。*2
どのような感じなのか、まずは自分で、ポジショニングを体験するのもよいと思います。
ポジショニングについては、まだ試していませんが、ギャッチアップについては、我が家でも、家族が試して、我が家の基準角度なるものを設定しました。
やはり、見ているのと体験してみるのでは、大きな差があります。
ギャッチアップ 、ポジショニングを家庭で試して、介護を受ける家族が、気持ちよく過ごせる環境を作りましょう!
*1:座位の場合は、背中の圧抜き(背抜き)を必ず行い、皮膚の摩擦を緩和します。(介護者が一度体験するとよくわかります。)
*2:介護を受ける方の状態により、ポジショニングは異なりますので、必ず専門家(看護師、作業療法士、理学療法士など)に尋ねてください。我が家の場合は、母の退院時に看護師さんからポジショニングのレクチャーを受けました。
2021/8/11 (水) 更新